ヨチヨチ母日記

アラフォーで妊娠・出産した母の日記

毒親育ちが妊娠・出産時に言われて辛い一言

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家庭とは地獄だ

我が家は典型的な機能不全家族でした。父親はアル中で、母親は双極性障害。家の中では怒鳴り声や泣き声が響いているのが日常だったため、心の中では「家庭」と書いて「じごく」と読みます。

母親と絶縁

父親は酒の飲み過ぎか早々と死んだのですが、憎まれっ子の母親は世にはばかってしまっているため、妊娠を機に縁を切ることにしました。といっても日本では親子関係を絶縁するという法律はないので、正確には疎遠にしているということです。着信拒否をして住所も教えないようにしていたのですが、祖母が住所を教えてしまい手紙が届くようになってしまいました。ばあちゃん、困るよ。なお、母からの手紙は完全無視しています。

無神経な一言が毒親育ちを傷つける

毒親育ちが妊娠して困るのが、「里帰りするの?」「お母さん、手伝いにこないの?」という周囲の圧力です。うちの場合は夫が3週間休みをとってくれることになったため、「夫が頑張るから大丈夫」と返しているのですが、それでは引き下がらず延々と「手伝ってもらわないと大変だよー」と祖母動員の正当性を説いてくる諸先輩方というのが困ります。手伝ってもらえるような母親なら、そら私だって頼りたいよ。うちの場合、虐待か殴り合いの手伝いにはなっても、愛情溢れる子育ての手伝いになんてならんのだ。これだけ拒否するにはそれなりの理由があるとなんで気付けないのかと言いたい。

自分の親が毒親で絶縁しているということは、よほどのことがない限り友人知人に伝えていません。虐待を受けたことのない人というのは親に対して絶対的な信仰心を持っていて、「お母さんに伝えないなんてひどい」「育ててもらったんだから」とこちらを全否定されるだけなので、詳細を説明するのも面倒なんですよね。どんな虐待を受けてきたのかということを細かく語っても暗い話になるだけだし、その後やりにくくなるだけなので、「親とは折り合いが悪くて〜」と濁すぐらいがせいぜいです。

日本の子育て=ジジババ頼りの矛盾

そもそも、いい大人が子供を産んで育てるときに、なぜ祖父母に頼ることが前提になってるんでしょうか、この国は。親になるのにその親に頼らないと出産・育児できないというのは不思議なものです。里帰り出産という文化は日本だけのものらしいのですが、これは日本の高度成長期の象徴なのかもしれないですね。長時間労働をする夫は育児にも家事にも参加できず、その代替として妻の実家が産褥期をサポートするシステムがデファクトになってしまったのではないかと思います。

区役所でも「お母さんには手伝ってもらえそうですか?」と聞かれて、思わずムッとしました。公共サービスをやっている側が、それぞれ事情の異なるものを子育てのメインサポート基盤だと考えているってどういうことなんだ。高齢出産が増える中、両親ともに亡くなっている方もいるだろうし、我が家のように頼る親族がいない人もいるでしょう。

ファミリーサポートや産前産後サポート事業など、シニア世代を労働力として活用するというのは大賛成ですが、なんでもかんでも実家に頼ればいいという風潮は見直していきたいものですね。毒親育ちとしては、毒になる親よりサポートの研修を受けた他人のほうが100倍楽ですし。